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台湾では、最もよく見られるアレルギー症状はアレルギー性鼻炎、喘息、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹及び食物アレルギーという6種類であり、その症状は(Table 1)の通り(4):
疾患名 | 臨床症状 |
喘息 | 呼吸促迫、喘鳴、胸内苦悶、慢性咳、夜間咳 |
アレルギー性鼻炎 | くしゃみ、鼻水、鼻痒み、鼻詰まり |
アレルギー性結膜炎 | 目のまばたき、はやり目、目の痒みと腫れ、黒目 |
胃腸管アレルギー | 何か食べ物の食用後の胃腸不適、例えば:下痢、腹痛、腸疝痛、悪心嘔吐 |
アトピー性皮膚炎 | 皮膚の激しい痒み、それに乾燥落屑、湿疹、紅斑 |
蕁麻疹 | 皮膚の突発的な赤腫れ、痒疹 |
Table 1. よく見られるアレルギー疾病と症状 |
アレルギー症状発生の主要原因は人体の免疫系が無害な物質を細菌あるいはウイルスと間違い、体内の連鎖的免疫攻撃反応を引き起こすことにあり、すなわち、過度な免疫反応である。免疫グロブリンE(Immunoglobulin E, IgE)が主導する過度な免疫反応は体内に二型ヘルパーT細胞 (Type II T helper cell、Th2と略称)を主とする免疫反応がありがちなことを主要特徴とする。それに対して、一型免疫反応はウイルスと細菌などの感染への防御を主とし、一型ヘルパーT細胞 (Type I T helper cell、Th1と略称)によって主導される。両型のT細胞が分泌するサイトカインがお互いに抑制・調整し、免疫調整のバランスを取る。一般の人々は主に一型免疫反応であり、それによって病原菌侵入による疾患を防いでいる。
Fig. 1.アレルギー誘発物質と触れると、一連の免疫反応を引き起こし、アレルギー現象に繋がる
免疫系がアレルギー誘発物質に接触すると、体内で大量のTh2細胞が活性化され、Th2サイトカインが分泌される。例えば、インターロイキン-4、5、13など(Interleukin-4、5、13,IL-4、IL-5、IL-13)、そのうち、 IL-4、IL-13はB細胞クラススイッチ(class switch)のIgE抗体(5)分泌を促進する。
IL-13は呼吸上皮細胞を刺激し、平滑筋収縮などの生理反応を引き起こし、さらに気道過敏性(airway hyperresponsiveness, AHR)を引き起こし、呼吸抵抗が出てくる(6)。それは喘息患者の最も明らかな症状である。IL-5は好酸球(eosinophil, EOS)を活性化し、それらを集まらせて、局部に強い炎症反応を引き起こす。そのほか、侵入したアレルギー誘発物質も肥満細胞(mast cell)表面のIgE抗体と結合して肥満細胞を活性化し、ヒスタミン(histamine)、ロイコトリエンB4 (leukotriene B4, LTB4)などの物質を分泌し、気道に炎症反応を引き起こす(7, 8) (Fig. 1参照)。