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動物実験(16)
eck(1996)はWatanabe系ウサギ24羽を3つのグループに分けた。一つは何も食わせず(対照群)、もう一つは降コレステロール薬Mevacor®を食わせ(ポジティブコントロール) 、三つはS100牛乳 (実験群)を飲ませた(16)。Watanabeウサギは遺伝子には肝臓LDL受容体がないので、コレステロールを取り除くメカニズムがない。Watanabeウサギにとっては、一般的な飲食でも、だんだん高コレステロール症につながり、厳重なアテローム性動脈硬化を形成させる。それで、この標準的な動物モデルを利用してS100牛乳と降コレステロール薬Mevacor®のそれぞれの効果を比較した。18週間あるいは36週間連続で飲ませた後、コレステロールの低下及び抗動脈硬化の低下の効果を比較した。コレステロールの低下について、S100牛乳は降コレステロール薬Mevacor®と似ている(Table 1をご参照)。また、S100牛乳は血管の上の繊維斑の産生を減少でき、統計上、降コレステロール薬Mevacor®より効果が著しく高い(Fig. 1をご参照)。
S100牛乳は著しい抗炎症効果があるので(17)、血管の繊維斑の産生を抑制する効果がS100牛乳の天然抗炎症因子 ((Anti-inflammatory factor; AIF)によるものかもしれないが、S100牛乳がコレステロールを低下させる結果だけではない。
総コレステロール、 mg/dL | |||
時間(週) | コントロール | S100ミルク | Mevacor® |
-2 | 101.38 ± 1.91 | 97.13 ± 1.52 | 101.50 ± 2.50 |
0 | 139.00 ± 5.60 | 135.50 ± 1.36 | 124.38 ± 1.36 |
4 | 561.00 ± 13.58 | 527.13 ± 1.71 | 511.50 ± 1.81 |
8 | 653.25 ± 10.64 | 626.50 ± 2.72 | 617.50 ± 1.38 |
12 | 679.63 ± 9.38 | 653.63 ± 1.51 | 648.25 ± 1.28 |
16 | 692.50 ± 8.66 | 665.13 ± 1.23 | 656.75 ± 0.92 |
18 | 724.25 ± 1.65 | 672.00 ± 1.08 | 664.75 ± 1.25 |
20 | 673.25 ± 1.97 | 667.00 ± 1.96 | 660.00 ± 1.29 |
24 | 672.25 ± 2.17 | 667.75 ± 1.80 | 660.50 ± 1.55 |
28 | 673.25 ± 2.32 | 668.00 ± 2.20 | 660.00 ± 2.48 |
32 | 672.75 ± 0.85 | 668.25 ± 1.89 | 661.50 ± 2.78 |
36 | 672.50 ± 2.10 | 667.00 ± 2.12 | 662.00 ± 2.35 |
18 week AUC | 2,315.8 ± 127.9 | 2,199.3 ± 103.4 | 2,206.6 ± 101.7 |
36 week AUC | 4,719.0 ± 6.4 | 4,580.5± 20.5* | 4,621.0± 30.8** |
Table 1. コレステロールの低下について、S100牛乳は抗コレステロール薬Mevacor®と似ている(16)。 AUC: Area Under Curve (△mg/dL*weeks) *P= 0.0039 vs コントロール **P= 0.0268 vs コントロール
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Fig. 1. 動脈の斑の産生を抑制する効果はMevacor®群より実験群のほうが、統計上著しく高い(16)。