ヒト臨床試験一(18) 
harp ら (1994)は被験者30人に38週間の実験を行った。実験は5段階に分けられた。すなわち、まず10週間の前実験期、次は10週間の第一実験期、それから4週間の洗浄期(Washout)、それから10週間の第二実験期、最後は4週間の後実験期である(18)。

実験過程において、被験者の脂肪摂取が厳しく制限された。被験者一人は毎日、一般脱脂乳(対照群)あるいはS100牛乳(実験群)90グラムを2回に分けて飲んだ。毎段階に血液採取を行い、血圧を記録した。 S100牛乳10週間連続飲用後、対照群と比べると、S100牛乳は血中脂肪の中のコレステロールを著しく低下させた(Fig. 2をご参照)。総コレステロール(total cholesterol)が5.2%下がり、低比重リポ蛋白コレステロールが7.4%下がった。同時に、収縮期圧と拡張期血圧もそれぞれ5 mmHg、4 mmHg下がった(Table 2をご参照)。

Fig. 2. 時間の伸びるにつれて、血液の中のコレステロール含有量を低下させる効果は、対照群より実験群のほうが高い(18)。

ヒト臨床試験二(19)
Golay et al. (1990) は被験者11人に24週間の実験を行った。被験者を4週間のbaselineの後、2つのグループに分けて、それぞれ一般脱脂乳(対照群)あるいはS100牛乳(実験群)を2回に分けて90グラム飲ませた。Mode 1は8週間連続で一般脱脂乳を飲んでから、8週間連続でS100牛乳を飲んだ。それに反して、Mode 2は8週間連続でS100牛乳を飲んでから、8週間連続で一般脱脂乳を飲んだ。この間、被験者のコレステロールの変化を観察した(Fig. 3参照)。対照群より、実験群は総コレステロール(total cholesterol)が8%下がり；低比重リポ蛋白コレステロール(LDL cholesterol)が4%下がり；動脈硬化指標(atherogenic index)、すなわち(total cholesterol/HDL cholesterol)が8%下がった(Table 3参照)。

Fig. 3. 点線は一般脱脂乳の飲用を代表し、実線はS100牛乳の飲用を代表する。見てみると、S100牛乳を飲用する時、コレステロールが下がることがわかった(19)。